公開日: |更新日:
小口配送は、少量の荷物を配送する方法です。1回の発注数は少ないものの、発注回数が増加する場合が多いため「多頻度小口配送」とも呼ばれています。ここでは小口配送の概要や課題、課題の解決方法を紹介します。
小口配送とは
小口配送とは、少量の商品や荷物を効率的に配送するサービスを指します。消費者のニーズが多様化しており、より幅広い品ぞろえを求められるようになった現代においては、小ロットでの配送である「小口配送」は一般的になりました。小口配送は、1回の発注数は少ない一方で、発注回数が増える傾向があるため「多頻度小口配送」とも呼ばれます。
ECサイトの商品配送、小規模店舗への納品、個人間の荷物配送など、多様なシーンで活用されています。小口配送は、トラック1台分程度を同じ配送先へ運ぶ大口配送と異なり、トラック1台に複数の配送先の荷物が積み込まれることが一般的です。
短納期や多頻度配送への対応、柔軟な運用などが特徴ですが、小口配送には特有の課題が伴うため、解決策の導入が重要となります。
小口配送の課題
配送コストが増加しやすい
配送頻度が高まる一方で、1回あたりの荷物量が少ない場合、単位当たりの配送コストが割高になります。また、多拠点への配送が求められると、効率的なルート設定が難しくなる点も課題です。
スケジュール調整が煩雑になる
配送先や配送時間の指定が増えると、集荷や配送スケジュールの調整が複雑になりがちです。特に、多品種かつ少量の配送が頻繁に求められる場合、現場の負担が大きくなる傾向があります。
効率が低下し、環境負荷が増加する
小口配送では、配送車両の稼働が増えるため、トラックの積載率が減少したり、CO₂排出量が増加したりするリスクがあります。物流全体の効率低下や環境負荷の問題が生じます。
人材が不足する
物流業界全体で深刻化している人手不足の影響は、小口配送にも大きな影響を与えています。業界全体で問題視されている配達員やドライバーの不足は、サービスの品質維持が困難になる要因とされています。
小口配送の課題の解決方法
物流管理システムの導入
物流管理システムの導入により、配送ルートやスケジュール管理の効率化が可能です。コスト削減や環境負荷の軽減が見込まれます。また、AIやIoTを活用した配送状況の可視化は、リアルタイムでの対応力を高めてくれます。より高品質なサービスの提供が可能です。
AIを活用して適した配送ルートを組み立てられるシステムを導入した事業者では、配送効率が向上した事例があります。
参照元:マテマAI(https://logistics.mathema-tech.com/dx/54/)
共同配送を活用する
共同配送は、異なる依頼主の商品を1台のトラックに載せて配送する方法です。共同配送によりトラックの積載率が向上し、無駄を防ぐ効率的な配送が実現。特に同じ地域への配送をまとめることで、効率が大きくアップします。
共同配送の結果としてトラックの稼働台数が減少し、CO₂排出量の削減が可能です。以下の事例報告によると、物流業者に共同配送システムを導入してトラックの走行台数を削減することで、CO₂排出量削減につながっています。
参照元:【PDF】総務省「IT活用によりCO2削減効果が期待される物流業での取組事例」(23ページ)(https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/chousa/yubi_pande/pdf/050124_2_03.pdf/)
労働環境を改善する
労働環境の改善は、ドライバー不足の緩和につながります。労働環境の改善につながる方法は、自動運転技術やロボット活用などです。運転や荷物搬送などを効率化させることで、ドライバーの負担が軽減されます。
以下の取材記事によると、自動運転トラックを試験導入してドライバーの負担を軽減し、長距離配送の効率化を図った企業があります。
参照元:NVIDIA(https://blogs.nvidia.co.jp/blog/trucks-ai-autonomous-trucks/)
物流システムを導入して小口配送の課題を解決しよう
小口配送は、多様なシーンで活用されている配送方法である一方で、小口配送ならではの課題や改善するべき点はたくさんあります。物流業界の発展のため、小口配送の課題解決に取り組みましょう。物流システムを導入することで、配送ルートやスケジュール管理の効率化ができ、コスト削減やスピーディーな配送につながります。自社の課題に適した物流システムを検討しながら、小口配送の効率化やサービス品質の向上に努めましょう。