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物流業界では、業務効率化を目指すロジスティクス4.0の推進が必要です。そこで今回は、物流システムを導入してロジスティクス4.0を実現する方法について解説します。
ロジスティクス4.0とは
ロジスティクス4.0とは、IoT(モノのインターネット)・ビッグデータ・ロボティクス・AIといった先端技術を導入し、物流業務の自動化と効率向上を目指す取り組みです。物流業界では、人手不足、コスト削減の必要性、環境問題などが長年の課題とされてきました。「2024年問題」と呼ばれる、働き方改革関連法によるドライバーの時間外労働の制限にともなう問題も浮上し、物流現場では、省人化や各種データの可視化が求められています。
ロジスティクス4.0では、IoT化と物流システムを組み合わせ、さらにAIによるルート選定などを行い、省人化と効率性の向上を目指します。IoTセンサーやGPSを活用して、商品や配送車、ドライバーの現在地をリアルタイムで把握することで、遅延や在庫欠品のリスクを早期に察知し、迅速な対応が可能になります。
AIを活用してビッグデータを分析することで、過去の販売データから市場や顧客の需要を予測し、在庫管理に役立てられます。この方法により倉庫で過剰に在庫を抱えず、需要のある商品が欠品するリスクを減らすことができます。
ロジスティクス4.0は、第4次産業革命という意味の「インダストリー4.0」に由来する言葉です。製造業における技術の導入によって自動化や高度化を押し進めるという意味で、迅速かつ柔軟なサプライチェーンの構築を目指す考え方として注目されています。
ロジスティクス4.0を実現するメリット
ロジスティクス4.0によって得られる主な効果は以下のとおりです。
業務効率化とコストの削減に貢献
倉庫内作業や配送ルートの選定をロボットやAIが担当することで、人手不足への対応や人件費、工数の削減につながります。配送ルートが自動的に割り出せると燃料や移動時間の無駄が省けるため、結果としてコストや作業効率の向上に寄与します。
需要予測精度とサービス品質の向上
AIを活用してビッグデータを分析することで、繁忙期や在庫に関する需要を予測できます。これにより、欠品の防止や納期の遵守につながり、顧客満足度やサービス品質の向上につながると考えられます。
リアルタイムでの情報の可視化
IoTの活用によって在庫・貨物・車輌・スタッフの位置状況がリアルタイムに把握でき、災害や事故などの問題が発生した際にも対応しやすくなります。サプライチェーンに混乱をきたした際に、迅速な意思決定が可能になります。
人的ミスや確認漏れの削減と省人化
手作業や目視による確認はスタッフにとって大きな負担になります。負担の大きな部分を自動化し、システムやAIによる管理に置き換えることで、人的ミスの低減や作業のばらつき抑制につなげます。
ロジスティクス4.0を実現する方法
ロジスティクス4.0を進めるには、戦略的な取り組みが求められます。現状分析として物流の現場で課題となっている部分を明らかにしてから、ボトルネックやエラー、無駄なコストや工数がかかっている箇所を洗い出します。デジタル化すべき部分を明確にしたうえで、IoT技術やデバイス、AIシステムや物流システムを導入します。デジタル基盤を整備した後は、自動化技術としてロボットやAGVなどの導入を検討しましょう。
物流システムを導入してロジスティクス4.0を実現しよう
物流システムは、物流業における多様な課題に対応するための省人化・効率化支援ツールです。在庫や出荷の状況をリアルタイムに把握し、即時性の高い情報管理に役立てられています。ロジスティクス4.0の実現に向けて、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。