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近年ではSDGsという言葉がひろまり、地球環境へ配慮した取り組みが推奨されることもしばしばあります。ここでは、グリーンロジスティクスについてまとめました。
グリーンロジスティクスとは?
地球環境に配慮した物流のこと
グリーンロジスティクスは、地球環境に配慮した物流を指します。2005年の物流総合効率化法や2006年の省エネ法改正を背景に、グリーンロジスティクスという言葉は使われるようになりました。
グリーンロジスティクスのほか、グリーン物流と呼ばれることもあります。
モーダルシフトや共同配送などが具体例
グリーンロジスティクスの具体例として、モーダルシフトや共同配送が挙げられます。
モーダルシフトとは、トラックや車といった車両の使用を控えて、環境への負担が少ない鉄道や船舶へ転換することを指します。納期が長く緊急性の低い貨物を輸送する際に用いられるアプローチです。
たとえば船舶を使用した場合、二酸化炭素の排出量は50~70%ほど抑えられると言われています。
共同配送とは、復数の企業の貨物を1台のトラックで輸送することです。稼働するトラックの台数を減らすことができるため、トラックから排出される二酸化炭素削減に期待できます。
※参照元:プロレド・パートナーズ公式HP(https://www.prored-p.com/business/low_cost_management/column/logistics/logistics18/)
グリーンロジスティクスのメリット・デメリット
輸送コスト削減に期待できる
グリーンロジスティクスは、二酸化炭素だけでなく輸送コスト削減にも期待できます。たとえばモーダルシフトでは、複数台のトラックによる輸送をフェリーでまかなうことで、輸送費削減が期待できます。
CSRを高める
企業の社会的責任を表すCSRを高めるのにも、グリーンロジスティクスは効果的です。「環境に配慮し業務を行っている」という企業に対して、たいていの人はポジティブなイメージを抱くでしょう。
ブランディングや会社のイメージアップにも期待でき、他社にはない強みが得られる可能性もあります。
費用対効果は予測できない
グリーンロジスティクスに力を入れて取り組んだからといって、必ずしも望んだ結果が得られるとは限りません。
たとえばコスト削減目的で短期的に取り組んだ場合、あらたな輸送経路や手段の確保、契約などの手間や費用により、結果的にコストダウンにならない可能性があります。
また、グリーンロジスティクスに取り組んでいるという事実が認知されず、CSRにも特に影響しないこともありえるでしょう。
グリーンロジスティクスを推進する際のポイント
代替案がうまく機能するかよく検討する
グリーンロジスティクスを推進する際、まずは現状をよく理解し、代替案がうまく機能するかどうか分析しましょう。
輸送方法やルートを変えた場合、どの程度の効果に期待できるか、具体的なメリットを生むまでどのくらい時間がかかるのか、最初の段階でプランをよく練ってください。
復数部署で協力体制を整える
輸送の手段だけを変えるだけでは、グリーンロジスティクスはうまく定着しません。グリーンロジスティクスがうまく機能するように、関連部署全体で連携していく必要があります。
実施状況を可視化する
グリーンロジスティクスがうまく機能しているかどうか、定着しているかなどを可視化しましょう。
達成する目標や成果、環境に与えている負荷の変遷などを数値として見える化すると、達成状況がわかります。可視化によって、実際に働く従業員のモチベーションアップにも期待できるでしょう。
グリーンロジスティクス推進のために物流システムを活用しよう
環境に配慮した物流である「グリーンロジスティクス」には、地球環境だけでなく、会社にとってもコストやCSRなどのメリットがあります。容易ではありませんが、導入する価値はあるでしょう。