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ラストワンマイル配送は、商品の最終配達地点となる場所までの配送のことです。ラストワンマイル配送は重要とされていますが、実はコストがかかる部分でもあります。
ここではラストワンマイル配送に関する概要や現状と課題、ポイントなどを紹介します。
ラストワンマイル配送とは?
最後の配送期間を指す言葉
「ラストワンマイル配送」は、上記でも紹介したように、消費者が商品を手にするまでの配送区間のことです。
ワンマイルと入っているものの、決してワンマイルだけが対象になるわけではありません。距離としての意味は持っておらず、消費者に商品を届ける物流の最終区間として使われています。
物流業界におけるラストワンマイル配送の現状と課題
ラストワンマイル配送の現状
ラストワンマイル配送は、近年のEC市場の拡大によって注目されるようになりました。近年は配送するべき物流量に対し、配送を担っているドライバーの労働力を確保するのが難しくなっています。
またEC市場でも他の事業者との差別化を図るために、送料無料・翌日配送など、事業者は配送サービスに力を入れるようになりました。
業界でも「ラストワンマイル配送」を制するものが流通を制するという考え方が広がり、注目されています。
ラストワンマイル配送の課題
労働生産性の低下
BtoC配送は、BtoB配送と比較すると再配達の頻度が大幅に増加します。再配達が増加すると、ドライバーの走行距離が多くなってしまったり労働時間が伸びてしまったりして、効率の悪い配送しかできなくなるでしょう。
結果として、ドライバーの人件費の増加だけでなく、トラックのガソリン代・荷物を再補完する管理コストなどがかさみ、労働生産性の低下につながります。
配送ドライバーの不足
少子高齢化や物流業界の労働環境の問題などによって、配送ドライバーは常に不足しています。それでいて運ぶべき荷物は増加傾向になるため、ドライバーが全く足りていません。
ラストワンマイル配送で差をつけようとする考え方は、配送ドライバーの不足によって配送ができなくなってしまえば、意味がなくなってしまいます。
利益の圧迫
EC市場にて、他社との差別化を図るために送料無料のサービスを提供しているお店も多いです。しかし、宅配料金は決して無料ではありません。ECサイトの取り組みにより、運送会社にもしわ寄せは発生しています。売り上げや利益部分を圧迫する恐れもあるでしょう。
物流システムでラストワンマイル配送に対応する際のポイント
配送を効率化させる
ラストワンマイル配送が効率的に行えるようになれば、配送業者の負担が大きく軽減します。物流センターから届け先までの輸送全般を監理できるシステムの利用がおすすめです。
また、輸送手段の見直しも配送を効率化させる1つの方法です。輸送といえばトラックの利用が一般的ですが、自転車や台車を使って配送する方法もあります。
また、異なる企業が物流資源を共有する「共同物流」は、配送車両の稼働率を向上させながら配送を効率化させてくれます。
労働力を確保する
効率をアップさせてラストワンマイル配送の質を維持することはできても、課題はなくなるわけではありません。特に大きな課題となっているのは、労働力不足です。
労働力確保のためには、労働環境の見直しが必要不可欠でしょう。給料体系の見直しや他産業と同等の休暇取得体制、拘束時間の短縮化などドライバーの負担軽減につながる取り組みを実施する必要があります。
また、新技術の活用も労働力確保の1つの方法です。ドローンや自動運転車などを使うと、交通渋滞の影響を受けづらく配送の効率アップにもつながります。ドライバーを必要としなくなれば、労働環境の改善が叶えられるでしょう。今後は規制緩和や法整備により、新技術を活用した配送が行われるようになるかもしれません。
物流システムを導入してラストワンマイル配送に対応しよう
お客様の手元に商品を届ける最後の道のりである「ラストワンマイル配送」は、重要視されています。EC市場が拡大した現代においては、ラストワンマイル配送によって他社との差別化を図るケースも少なくありません。しかし、ラストワンマイル配送を重視することによって、物流業界にはさまざまな課題が発生します。
より業務を効率化させ、ドライバーの負担を増やさないようにするために、しっかりと対策を立てましょう。ラストワンマイル配送の在り方を考えてみることで、行うべき対策が見えてくるはずです。