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RFID技術は、物流における業務環境を大きく変えるポテンシャルがあります。従来1つずつ手作業でやっていた業務が、たった1回のスキャンで済むようになり、従業員の負担やリソース削減に期待できます。ここでは、RFID技術について紹介します。
物流システムにおけるRFID技術とは?
RFIDとは「Radio Frequency Identification」のことで、日本語にすると無線自動識別という意味です。具体的には、電波を用いて非接触で読み取り・書き込みができるICタグを指します。従来の至近距離でバーコードを読み取るような作業が必要なくなります。
さらに「バーコードが剥がれて・汚れて読み取れない」といった問題も、RFIDなら起こりません。RFIDで読み取り・書き込みできる距離は、製品や使用環境に左右されることもありますが、最大20メートル程度です。これだけあれば、離れた位置からタグの処理が可能になり、物流現場における業務改善に期待できます。
物流システムにおけるRFID技術活用のメリット
遠距離から読み取りができる
RFIDはバーコードのように至近距離で読み取る必要がありません。遠く離れた場所や、高い場所に置かれたタグも読み取り可能です。読み取りのために接近する必要がなく、また、タグ目的の荷物の運搬や人員を割くといった手間がなくなります。
タグの読み取り時間が短縮される
RFIDは複数のタグを同時に一括で読み取ることができます。大量のタグ読み取りが必要な場合でも、荷物ひとつひとつを読み取るがなく、一度読み取るだけで確認できます。
箱の中にあるタグも読み取れる
箱の中にあるタグを読み取る場合、従来のバーコードでは、箱を一度開けてバーコードを読み取る必要があります。一方RFIDの場合、箱の中にあるタグを読み取ることができ、開梱する必要はありません。
物流システムにおけるRFID技術活用のデメリット
導入コスト
RFIDのデメリットとして、導入コストの高さが挙げられます。コンピュータや読み取るためのデバイス、ICタグなどが必要になり、導入において費用が大きなデメリットになりがちです。
外部の影響を受ける可能性
RFIDは、水と金属が近くにある場合、正常に動作しない場合があります。遠くから読み取りができるといっても、使用環境によっては正常に動作せず、従来のように荷物に近づいて読み取らなければならないケースもあります。
物流システム導入でRFID技術を活用しよう
RFIDは、物流システムにおける業務環境を大きく改善するポテンシャルがあります。従来では1つずつバーコードを読み取りしていた作業が1回の読み取りで済みます。バーコードが剥がれている・汚れている場合、スキャナーでの読み取りが困難でしたが、RFIDなら問題なく読み取れます。
ただ、導入コストは大きなネックです。機器の購入、さらには社員の教育コストもかかるかもしれません。また、周囲に水や金属がある場合、正常に読み取りできないケースもあります。自社にとってメリットがあるかどうか、よく検討しましょう。